30代が働きながら税理士資格取得に挑戦してみる。

税理士という資格を30代から働きながら取得出来るのか?

税理士資格というと難関資格の一つと考えられていますが、結論から申し上げますと、30代からでも税理士資格の取得は可能です。
現に筆者の周りにも資格取得を達成した方が働いていらっしゃいます。

なぜいまさら税理士なのか?と疑問をお持ちになる方もいらっしゃるかもしれません。

税理士と聞くと税金の計算をする国家資格という事になるのですが、その仕事は非常に多岐にわたる事になります。
企業の日常の会計処理や、起業の相談対応。また事業拡大時の経理・税務処理など、起業経営のコンサルタントとしての仕事をこなす事が多いのです。

現在税理士業界は非常に高齢化が進んでおり、全国に存在する税理士事務所、会計事務所の中には後継者不足で悩んでいる事務所もあるぐらいです。
 

税理士資格はAIで不要になるのでは?

最近何かと話題になっているAIですが、確かに会計・税務業界もやはりAIの影響を受ける業界と言っていいでしょう。

私はIT業界でもある程度勤務していましたので、システム化により可能になる事がある程度想像は出来るのですが、税理士業務のすべてがなくなるわけではないと考えています。

単調な仕分け業務などはどんどん自動化が進むことになるでしょうが、それ以外の決算、税務申告の調整、税務コンサルティング、資産税の対応などはコンピューターの処理では難しいのではと考えています。

言い換えると、税理士有資格者が高齢化しつつある現状で、これから税理士を目指す方は希少な人材になる可能性が高いということです。

さらに少し付け加えさせてもらいますと、会計システムの知見(ITの知見)と会計・税務の知見を持ち合わせた人材は引く手あまたになる気がしています。

会計という業務は企業が活動をする上でなくてはならない業務であります。そのため、その部分のシステム・業務に強い人材が求められるのは容易に想像できるのではないでしょうか。

実際に私もIT業界、会計・税務業界両方の職務経歴があるのですが、最近は転職サイトから今まであまり縁の無かったような企業からオファーが届いたりもしています。
 
 

 

税理士資格とはどのような資格なのか?

既にご存知の方も多いとは思いますが、税理士資格というものがどのような資格なのかという点をおさらいしておきましょう。

仕業と呼ばれる数ある国家資格のうち、税理士資格というものは、とある業務に対して独占が認められている資格です。少し難しい言葉ですが税務代理権限というものですね。

会社を経営する上で、日々の経理処理をしたり、税務申告をする必要があるのですが、その業務を代行できる資格の事です。

家族経営の中小企業などで自分自身で税務申告をしている会社は全く問題が無いのですが、会計・税務の専門知識を持つ人間でなければ自力でやりきるという事はなかなか難しいでしょう。

そのような時に業務を代行してもらうように依頼するのが税理士になります。町中で見かける税理士事務所や会計事務所の多くははそのような記帳代行業務や税務申告業務の代行をしているのですね。

現在は、副業が世の中でも押しされてきている状況ですが、士業の副業というのも十分将来性はあるのではと考えています。
 

税理士の資格を持っていると報酬はどれくらいなのか?

税理士という資格は取得するのに相応の時間と労力を要します。
そのため、有資格者はそれ相応の待遇となるでしょう。

筆者も依然税理士法人に勤務していたことがあるのですが、実務経験に応じてですが、税理士の有資格者の方は 600万~1200万くらいの報酬ももらっている方が多いですね。

ただ、資格だけ持っていて実務経験が全くない方はもう少し下のレンジからスタートになるでしょう。
どこの業界でもそうですが、資格だけでは採用してもらえないですし、給与も保証はされないですね。お客様と対等で良好な関係が築けそうな人材かというのを見られる事になると思います。

もちろん独立開業すればその人の腕と人脈次第となりますので、報酬は青天井となるでしょう。
年収が億を超えている税理士の方も多くいるみたいです。
 

税理士資格を取るために必要な科目は?

それでは次に税理士資格を取得するために具体的に必要となる科目をご紹介しましょう。
税理士資格というものは定められた5科目を取得する事により、国家資格として認められる事になります。

【科目は以下の通り】
・簿記論 (必須科目)
・財務諸表論(必須科目)
・法人税法 (所得税とどちらか必須)
・所得税法 (法人税とどちらか必須)
・消費税法
・相続税法
・住民税法
・事業税法
・酒税法
・国税徴収法

上記の中から5科目合格する事で税理士と認められる事になるのですね。
ただし、少し条件がありまして簿記論、財務諸表論は必ず合格しなければなりません。
法人税か所得税もどちらか一つは合格しなければなりません。

その他は自由に学習する税法科目を選ぶ事が出来るのです。
そして、この点がが働きながら資格取得を可能にしているのですが、決められた期間に一気にすべての科目を合格する必要はありません。
会計士試験のように、短答式試験に合格してから2年以内に論文合格しなければならないというような条件は特にないのです。

例えば独学で学習を進めながら、1年に1科目のペースなどで試験を受けて、合格に近づいている方もいるのです。
そのため働きながら税理士資格の学習をして、資格を取った方も多くいるのです。
税理士法人などには働きながら資格取得を目指している方が多くいらっしゃいます。
 
 

 

どの科目から学習をすべきなのか?

どの科目から学習をしても基本的には自由ではあるのですが、大半の方は簿記論や財務諸表論から始めています。

理由としては、簿記2級検定保持者の方などが、とっかかりとして学習をしやすいという事が言えると思います。加えて会計科目は大半が計算問題であるため、点数を積み上げやすいとう点もあるでしょう。

私個人的には最初は財務諸表論から学習を進めた方が良いのではないかと考えています。
簿記2級くらいの知識があれば、財務諸表論を先に学んだ方が、決算書作成の全体像を掴む事が出来ますしね。
 

おすすめの試験科目組み合わせは?

どの税法科目を受験するかは非常に悩ましいところです。
実務ベースで考えたとき、相手にするお客さんの種類などにより分かれるとは思いますが、大きく3パターンほどあるかと思います。

①「法人税」+「消費税」+あと一つ何かミニ税法(固定資産税 or 事業税など)
(こちらが最も需要のあるパターンではないでしょうか。ただ法人税の試験合格はなかなか大変です。)

また個人顧客を相手にする資産税中心の仕事の場合は
②「所得税」+「相続税」+あと一つ何かミニ税法(住民税 or 酒税)

最後に官報合格までの最短距離を考えたいのであれば、
③「国税徴収法」+ 残り2科目は大学院にて免除(※免除制度については後ほど)

国税徴収法は専門学校でもかなり宣伝していますが、集中的に取り組む事によって合格しやすい科目ではないかと言われています。
(ただ会計事務所などの実務ではその名の通り、税務調査官側の知識を問われるような内容ですので、あまり使わないような内容かもしれません。)

上記の通りいろいろな選択があるのですが、会計・税務業界で働かれた事がある方であればわかると思うのですがやはり法人税や消費税、所得税などの税法はある程度学習していなければ実務をこなす事が難しいと思われます。

時間があるのであれば、最低限の税法知識を学んだ上で、自身のなりたい税理士像をイメージして試験科目を選ぶ事をおすすめしたいと思います。
 
 

 

税理士資格を取るためにはどれくらいの期間がかかるの?

働きながら資格取得を目指すとして、非常に効率よく学習を進めたとして最低5年くらいはかかると考えておいた方がよいでしょう。

(3年で合格しました!という方の経験談を見たりしますが、私と一緒に働いていた方でそのようなペースで合格されていた方はいなかったです。。20代で学生時代から非常に効率よく学習を進めるか、働かずに専門学校などで学習に専念すれば分からないとは思います。
税理士試験の会場に足を運んで頂くとわかると思うのですが、受験年齢層は非常に高いです。
簿財の受験者層こそ若いものの、法人税などの税法科目になると受験者の年齢層がぐっと上がります。)

やはり多くの方が1年に1科目取得できるかできないかという状態ですのであまりあせらず、10年かけて働きながら取得するというケースが多いと思います。

(どうしても急いで取得したいという方は↓の試験免除制度をご利用頂ければと思います。)
 
 

 

税理士試験はどれくらいの合格率なのか?

2018年の受験者データがあります(国税庁HPより)
受験者数 30,850人 官報合格者 672人 2.1% 科目合格者 4,044人 15.3%

官報合格者は5科目揃った合格者なので、合格率が低く出ていますが、
科目合格者は15.3%となっています。
試しに試験を受けてみる記念受験者を含めての数字ですので、真剣に試験勉強を積み上げてきた受験者にとっては決して合格が非現実的という資格ではないとい理解して頂けるのではないでしょうか。

当然、試験問題が簡単な年とそうでない年もあるため、年によっては合格率が20%を超えている科目を目にする事もあります。

専門学校には行くべきなのか?

費用面の問題をクリアできるのであれば専門学校に通うべきだと思います。
ただ、1科目学習する毎に、25万円ほどしますので、自費での通学となる場合は心して学習しましょう。

独学でもある程度は学習が出来るような通信教育や、問題集もたくさん販売されていますので、独学に自信のある方はそれでもいいと思います。
自分自身のレベル感を掴むために、模試パック(模試10回+解説くらいで5万円ほど)のようなものだけ利用するのも一つの手だと思います。

私も財務諸表論は模試パックで受けました。市販の問題集を繰り返し解いていくと、点数が伸びていきますので、仕上げは模試パックで諸々の復習をしていた記憶があります。

利用する専門学校としては
LEC
・TAC
大原などが有名ですね。
 
 

 

税理士試験の免除制度について

税理士試験は5科目取得する事が資格取得のオーソドックスな方法なのですが、
いくつかの方法で試験科目を免除する事が出来ます。
その方法についてご紹介したいと思います。
 

大学院で単位を取得する事による免除制度について

法科大学院に通い、単位認定をしてもらう事で、税法科目の試験免除(最大2科目)をしてもらう事が可能になります。

様々な大学院があるのですが、平均して1科目を認定してもらうために、100万円前後の費用がかかると考えておくとよいでしょう。

法科大学院の中には、毎週のゼミ受講&レポート提出が必要な大学もあれば、ほぼ論文の提出だけで免除申請が可能になるところもあります。
(一般的にメジャーな大学ほど免除申請が難しいとされていますね。逆はしかりという事です。)
 

税理士試験免除が可能になる大学について

税理士試験免除の申請が可能になる代表的な大学をご紹介したいと思います。様々な特徴がありますので自身の志向に照らし合わせて選択すると良いでしょう。

・筑波大学 ビジネス科学研究科
国公立大学ですので、学費面が少し低めに抑えられていると思われます。
夜間に講義をしていますので、社会人の方でも受講が可能になっていますね。
詳細はこちらwww.office.otsuka.tsukuba.ac.jp
 
・明治大学
明治大学にはMBSの制度があります。経営の分かる税理士の育成を目指し、税理士試験の科目免除制度への申請制度を用意しています。最大で税法科目2科目、会計科目1科目の免除申請が可能になるようですね。
詳細はこちらwww.meiji.ac.jp/mbs
 
その他、以下の大学でも税理士試験免除可能なカリキュラムが組まれているようですね。
・大阪府立大学大学院 経済学研究科
・兵庫県立大学大学院 経済学研究科
・和歌山大学大学院 経済学研究科
・青山学院大学大学院 法学研究科
・亜細亜大学大学院 法学研究科
・嘉悦大学大学院 ビジネス創造研究科
・神奈川大学大学院 法学研究科
・國學院大學大学院 経済学研究科
・国士館大学大学院 法学研究科 修士課程
・椙山女学園大学大学院 現代マネジメント研究科
・聖学院大学大学院 政治政策学研究科
・成蹊大学大学院 経済経営研究科
・専修大学大学院 商学研究科、法学研究科
・高千穂大学大学院 経営学研究科
・拓殖大学大学院 商学研究科
・千葉商科大学大学院 会計ファイナンス研究科、法学研究科
・東京国際大学大学院 商学研究科
・東洋大学大学院 法学研究科、経営学研究科
・名古屋商科大学大学院 会計ファイナンスコース
・日本大学大学院 経済学研究科、法学研究科
・文京学院大学大学院 経営学研究科
・武蔵野大学大学院 政治経済学研究科
・立教大学大学院 経済学研究科
・立正大学大学院 法学研究科
・愛知大学大学院 経営学研究科
・愛知学院大学大学院 商学研究科・法学研究科・経済学研究科
・名古屋学院大学大学院 経済経営研究科、法学研究科
・南山大学大学院 社会科学研究科
・大阪学院大学大学院 法学研究科、経営学研究科
 
 

国税庁の職員として勤務を続けると・・

また国税庁職員として、定められた期間勤務を続けると、退職後に税理士資格をもらう事も出来ます。
よく税理士法人などに、国税庁OBの税理士の方がいますが、ほとんどの方が資格試験にパスをして有資格者になったわけではなく、国税庁に長期間務めていた方でしょう。

このように税理士資格を手に入れるやり方も複数ありますので、自身のキャリア、資金面を考慮して計画を立ててみる事をおすすめします。

新卒で国税庁に勤めて、数年勤め税理士資格を得るという方もいらっしゃるようです。
ただ、国家公務員の若年層の給与はかなり低めに抑えられていますので、その点は十分事前に確認しておいた方がいいでしょう。

たまに会計事務所から国税職員に転職した人の話を聞くのですが、給与面は少しがっかりみたいな話を聞いた事があります。

ちなみに国税庁の中途採用試験はホームページに掲載されています。国家公務員の中途採用試験ですので、筆記試験⇒面接試験複数回という流れになります。
申込をしてから採用結果が分かるまでは半年くらいかかるようですね。
国税庁の中途採用試験の案内はこちらwww.nta.go.jp/about/recruitment/keikensha

また、税理士と並ぶ会計系資格の難関資格として、会計士の資格がありますが、こちらは少し難易度が高く、決められた期間に合格しなければならないため、働きながらの資格取得は少し難しいと言われていますね。
 
 

 

税理士の資格を持つとどのような職場で働けるのか?

資格を持つ(科目合格でも可)と様々な職場で働く事が出来るようになります。
代表的な職場は会計事務所や税理士法人ですね。

実務経験があると待遇面も良くなりますが、1科目でも合格していれば、基礎的な業務知識はあると見なされ、職に就く事が可能になるでしょう。

その他にも、企業の経理部門、内部監査部門などでも募集をしている事があります。
システム面にも明るければ、活躍する場所はさらに広がる事になるでしょう。
 

結局、会計業界で働きながら資格試験の学習をする方が良い?

筆者自身は税理士資格の受験を始めたのがシステムエンジニアとして働いていた時期でした。その後会計・税務業界に転職したのですが、どちらが学習を進めやすいかと言えば、当然お分かりの通り、会計・税務業界ですね。

学習した内容を実務の様々な場面で使う事になるので自然に頭に入る事が多いです。税法科目、特に法人税、消費税、所得税あたりは、頻繁に実務で使用する事になりますので、相乗効果が期待されますね。
税理士への転職についてはこちらの経験談をご覧下さいtax-professional-job-change

 

最後に

最後になりますが税理士資格取得に向けて学習を進めてみたいと考えられている方にはぜひおすすめしたい書籍があります。

LECというスクールの書籍なのですが、各科目について非常にわかりやすくまとめられているため、自己学習を進めやすい書籍となっています。
税理士の学習を始めようかと思われている皆さんはぜひ購入をおすすめしたいと思います。
 



 

 

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